平成28年3月法学部発行紹介冊子および令和2年4月法学部発行紹介冊子からの抜粋ですが、その後本人の許諾を得て内容等を一部変更している場合があります。
和多田 航希さん
奈良県東大寺学園高校出身
2020年3月法学部を卒業。
現在、中央省庁に勤務。
将来をじっくり考えられる場所
社会の「なぜ」を多様な仲間と学んで
高校生の頃から、漠然と、政治や法律、社会の動きに関心がありました。京都大学法学部で学び、社会に対する知見を深めることを楽しみにしていました。
入学後は、元々の関心とは異なる領域の科目も積極的に履修したり、全都道府県の訪問を目標に旅行したりと、様々な経験をしました。そうした旅行や、授業で行った過疎地域の調査を通じ、地方の衰退という問題意識を持つようになりました。行政法ゼミでは、“人口減少社会における地方自治体”をテーマにゼミ論文を執筆しました。
それらの取組みの中で、今後も住民の生活を支えるため持続可能な行政の仕組みを構築したいと思い、国家公務員になることを決意しました。
京都は、東京よりもじっくり進路を考えられる場所だと、省庁の採用担当の方々もよく仰います。そしてそのための最高の場が、多様な仲間、先生が集う京都大学法学部です。社会や身近な事柄に対する疑問をともに議論しながら、将来を定めていってください。
1・2回生
多様な経験による
成長の時期
交流サークルでの学びと出会い
法学部サークル連盟(法サ連)の「国際・政治研究会」に所属しました。研究発表や議論を通じて、大学での学び方に親しむとともに、優秀な仲間、公務員を目指す先輩に出会いました。ここでの経験、出会いが、のちの進路選択に大きく影響したと思います。
学び誰かのために働く喜び
予備校でのチューターのアルバイトを始めました。それぞれの受験生のことを考えてアドバイスする難しさに悩むことも多かったですが、誰かのために働くことのやりがいを知りました。
交流現地調査で問題意識を獲得
全学共通科目の演習で、左京区北部の過疎地域である花脊地区での実地調査を行いました。地元の方々の温かさと班のメンバーの協力とで、やりきることができました。地方の衰退という問題意識を得ることができ、また地元の方々と地域の課題を語り合うことの大切さを実感しました。
学び法律学の専門科目を学ぶ
憲法や民法、刑法といった法学の専門科目を履修しました。試験勉強には特に苦労しましたが、そこで学んだ法律の知識や利害調整のバランス感覚は、多様な課題に直面する行政官にとっても重要であると考えています。
3回生
ゼミでの学びと
進路の決心
学びゼミでの研究活動
原田大樹先生の行政法ゼミに一年間所属しました。後期に取り組んだゼミ論文では、人口減少社会における自治体の課題をテーマとしました。執筆にあたっては、総務省の方のお話を伺ったり、県庁や役場へ取材に行ったりすることもでき、自分の目で現場を見ることの大切さを実感しました。ゼミの仲間との議論を通じて、自身の研究を深められたことも、良い経験です。
学びインターンシップでの気付き
中央省庁か民間企業かを問わず、積極的にインターンシップに参加しました。民間企業では、地域社会の課題に公務員以外の立場から取り組む機会を知ることができ、様々な進路の選択肢を考えるようになりました。
学び国家公務員志望へ
ゼミ論文を執筆して、今後の人口減少や技術革新など激しい社会変化の中で、住民の生活を支える行政の基本的な枠組みを、大規模に見直す必要性を学びました。また取材では、社会の課題に真正面から取り組む公務員の仕事に一層の魅力を感じました。そうして、国家公務員を目指すことにしました。
4回生
就職活動と
学生生活の総決算
学び試験勉強と就職活動
3回生の秋から4回生の夏までは、民間企業の就職活動と国家公務員試験の準備とを並行して行いました。タイトなスケジュールの中、移動時間も活用し取り組みました。「今月は専門試験準備」「来月は企業の面接対策」等、時期を分け重点を置く課題を決めていました。
交流いよいよ官庁訪問
官庁訪問では、担当の職員の方との議論を通じて、住民生活の現状に対する問題意識や、自分が公務員としてどのように貢献できるかを伝えました。期間中は長期のホテル滞在となります。面接に集中できるよう、休日は外出し気分転換を心がけました。
交流アルバイトでより責任ある立場に
続けていた予備校のアルバイトで最高学年となりました。全体の仕事の効率化を図りつつ後進を育成する難しさを感じましたが、同僚とのコミュニケーションを大切にして任務を果たしました。
学び再び行政法ゼミへ
後期には再び原田先生の行政法ゼミに参加し、今度は“高齢ドライバー”問題に取り組みました。授業で学ぶ理論を実際の社会の課題に当てはめ、解決策を出す力が公務員には求められるということを、改めて認識しました。