平成30年度 授業時間割

寄附講義について

法学研究科長・法学部長

京都大学法学部・法学研究科では、数年前より、多くの企業・団体様のご協力を得て、法学部および法学研究科(法曹養成 専攻)において、 高い専門的知見を備えた実務家の方々を非常勤講師として採用し、本学研究者教員との連携のもと、「寄附講義」として、多様なジャンルにわたる「実務関連特別科目」(法曹養成専攻では「実務選択科目」)を提供しています。 京都大学法学部・法学研究科(法曹養成専攻)における法学教育のあるべき姿を踏まえたとき、社会・経済の状況を的確に分析し、把握する能力、リーガルマインドを基礎として高いコミュニケーション能力、国際・国内情勢の変化への対応力を備えた人材を養成することは、京都大学法学部・ 法学研究科に課された最大の社会的使命の一つであると言えます。 今般、研究者教員による理論教育と並行して、実務家の皆様方のご協力により多様な実務関連科目を開講し、学生たちに対する教育を施すことによって、単なる教科書レベルの法律学に対する知識のみならず、コミュニケーション能力、社会における法律実務への対応能力を備え、政治・経済・社会状況にも詳らかである卒業生を世に送り出すことができ、グローバル化した社会において実務家・法曹として活躍する社会人となって活躍する有意な人材を供給するという、私どもに課されたミッションを果たすことができます。 上記の趣旨にご賛同をいただき、全面的なご支援とご協力を頂戴している企業・団体様各位に対し、法学研究科長・法学部長として心よりの感謝を申し上げます。 以下では、感謝の意を表するとともに、寄附講義へとご尽力を賜っている姿を皆様に広く知っていただくべく、それぞれの科目に関与している研究者 教員による講義概要の紹介を挙げさせていただきました。今後とも京都大学法学部・大学院法学研究科で学ぶ次世代を担う学生たちへの教育支援、さらには奨学支援に対するご協力のほどをお願い申し上げます。

寄附講義科目の紹介(学部科目、シラバス掲載順)

すべて開く

『生命保険の実務と法』日本生命保険相互会社さまご提供
本科目は、日本生命保険相互会社様より、企画・調査部門から1名、契約法務部門から1名、いずれもエース級の人材を派遣したいただき、本学の洲崎博史教授を加えた3名によるリレー講義の形式で開講されています。 この講義では、保険業法・保険契約法をはじめとした保険会社を取り巻く法規制を中心に、近時の法改正等も含めた制度内容等の解説のほか、実務の現状等を紹介し、実社会において生命保険が果たす役割を具体的かつ分かりやすく説明しています。 高齢化社会が進行する中、よりよい生命保険制度の構築に向けていかなる法規整がされているかを、現場の生の情報に接しながら学んでもらうのが本科目の特徴です。
『金融法と銀行実務』株式会社三井住友銀行さまご提供
本科目は、三井住友銀行様から、法務部長様ともうお一方を派遣していただき、同行ご出身の森下哲朗上智大学教授と本学の山本敬三教授を加えた講師陣により、銀行取引を中心とした金融法の基本的な制度と実務の仕組みを学ぶための講義として開講されています。 この講義では、預金取引、融資取引、決済取引をはじめ、銀行実務に関する主要な問題について、民商法の基礎的な事項から最先端の金融手法にいたるまで、具体例に即して分かりやすく解説しています。 金融の分野は、法学部の学生にとって主要な進路の1つですので、自分が将来携わるかもしれない仕事をイメージし、そのためには何を勉強する必要があるかということを学ぶ貴重な機会となっています。
『信託法の理論と実務』三井住友信託銀行株式会社さまご提供
本科目は、三井住友信託銀行様から、複数の実務担当者の方を講師として派遣していただき、信託法の理論と実務を学ぶ講義として開講されています。 この講義は、理論編と実務編から構成されています。理論編は、住友信託銀行様において法務部長、支配人を務められた天野佳洋客員教授が担当され、全体にわたり実務に根ざした講義となっています。実務編では、毎回、「資産運用と信託」、「証券化と信託」、「資産承継と信託」などの大テーマのもとで、教育資金贈与信託、後見制度支援信託、遺言代用信託のような身近な問題への信託の利用から、資産流動化のための信託の利用、新たな信託ストラクチャーにいたるまで、信託の数多くの活用例について、実務の最前線にいる講師による分かりやすい解説が行われています。
『国際企業取引の実務と法』住友商事株式会社さまご提供
本講義では、総合商社の様々なビジネスをオムニバス形式で紹介しながら、それにまつわる取引リスクや回避策等を法的な側面から焦点をあてて概説します。 具体的には、グローバル・ビジネスの基本である輸出入の売買取引から始まり、合弁事業やインフラ輸出事業に係る契約、基本的な枠組み等を解説するとともに、商社におけるファイナンス機能につきプロジェクト・ファイナンスも含めて説明します。 さらに、米国や中国における各種規制や法制度に関し、ビジネスの最前線で起きている課題等を踏まえつつ、企業の国際取引に対して及ぼす影響についても説明します。 また、最近のコンプライアンス意識の高まりを踏まえ、総合商社が国内外でどのようにコンプライアンス体制を構築、強化しているかについてもお話しします。ダイナミックなビジネスの裏にある、法規範の適用及びその実務対応につき可能な限り具体的にお話しすることを意識しています。 学生の皆さんに、法的な視点からのビジネスへのアプローチを理解していただき、企業法務、特に総合商社の法務業務の醍醐味を少しでも感じていただきたいと考えます。
『租税制度と租税実務』近畿税理士会さまご提供
本科目は、わが国の税制について、租税専門家である税理士の知見を活かした多様な検討を行う授業として、近畿税理士会調査研究部長様をはじめとする実務経験の深い税理士に本学の岡村忠生教授を加えた講師陣により、平成28年度から新たに開講されました。 この講義では、まず、会計制度について、平易で入門的な解説を行います。次に、これを基礎として、企業課税の中心にある法人税を取り上げ、実務上の諸問題について議論をします。最後に、私たちの生活に身近な消費税を取り上げ、事業者に生じる納税義務の算出方法など基本的な仕組みを説明するとともに、軽減税率やインボイスについて議論をします。 企業法務や消費生活における租税制度のあり方と、税理士など租税実務家の果たす役割について理解を深めることが、この講義の目的です。
『現代社会と弁護士』弁護士法人大江橋法律事務所さまご提供
本科目は、弁護士法人大江橋法律事務所様のご提供により、法学部2回生及び3回生を対象に、現代社会における弁護士の役割を学ぶ科目として、平成28年度より新たに開講されました。 この講義は、民事裁判および刑事裁判のほか、裁判外においても、人権擁護やビジネスの分野等で、弁護士がどのような役割を果たしているかということを理解してもらうことを内容としています。講師は、大江橋法律事務所様で活躍する弁護士の方々で、それぞれのご経験を踏まえ、具体例に即して、社会において法と弁護士が実際に果たしている役割を生き生きと伝えていただきます。 シラバスには、「本講義では、現代社会における弁護士の役割がどのようなものか、弁護士が裁判においてどのような役割を担うか、また、弁護士の役割が裁判以外の分野にどのように広がってきたか、弁護士がどのようにして法による問題解決を図っていくか、すなわちどのように事実を発見し法を適用していくのかについて、さまざまな分野・テーマごとにできるだけ現場に即して解説していきます。」とあり、身近な民事事件やいじめ問題から知的財産や独占禁止法、グローバル社会での弁護士の仕事や国際間紛争まで幅広い題材を扱っています。 受講生のアンケートでも、大多数の学生がこの授業を「良い」「どちらかといえば良い」と評価しており、弁護士の仕事への興味や理解が深まったという声が多く聞かれました。これから勉強を始めようとする学生たちにとって、法を学ぶことの意味を理解し、モティベーションを高めるきっかけになることが期待されます。 講師からは、「皆さんは、大学を卒業してから、弁護士はじめ法曹になる人、弁護士に依頼する人、弁護士と共に働く人など、いろいろな場面で弁護士との関わりがでてくると思います。現代社会のさまざまな問題について、弁護士が、どのような役割を果たしているか、この授業で学びながら、弁護士の役割についてより興味を持ってもらいたいと思っています。」とのメッセージが届いています。