卒業生インタビュー

平成28年3月発行法学部紹介冊子からの抜粋です。身分・所属等は、とくに断りがない限り、当時のものです。

初田 好弘 はつだ よしひろ

ゆうちょ銀行

1987年京都府生まれ。ヴィアトール学園洛星高等学校卒業。2009年京都大学法学部卒業。2017年9月現在、株式会社ゆうちょ銀行本社市場統括部総合クオンツ室に在籍。

あなたはあなた。
自分で考え、決めることで、
悔いのない大学生活を。

私が民間就職を考えたのは、法について学ぶ中で、入学当初抱いていたイメージと実際の運用との間にギャップを感じたことがきっかけでした。

入学当初の私は、確固たる善悪の判断基準として法の知識を習得したいとの思いがあり、その延長として法曹への道を考えていました。しかし法学部で学んでいくうちに、単純な法知識によってのみ善悪を判断することはできないし、またすべきでないと気づき、法に対する過度な期待が薄れていきました。

このような中、「そもそもどんなふうに働きたいのか」などゼロベースで見直し、法の道以外も視野に入れて将来を考えるようになった私は、選択肢の幅広さに惹かれて就職活動に取り組みました。自己分析を通じて、社会的影響力及び会社自体の変化の余地が大きいところで仕事がしたいと考え、両者を高い次元で兼ね備えていた(現在の貯金残高180兆円、民営化で変革の動き大)、今の会社で働いています。

現在の私は、市場統括部総合クオンツ室という部署にいます。主な仕事は、世界主要国の経済動向、投資指標等を分析し、投資運用に資する情報を関係部署に発信するというものです。一見法学部とは無関係に見えますが、その実、当時学んだことが大いに役立っています。

まず、最も役立っていると感じているのが「論理的思考力」です。数多のアナリストのコメントに目を通していると、結論ありきの強引な論理展開をしばしば見かけます。その中から検討に値するコメントを選別するには、論理的破綻を見抜く力が必要です。

また自分の意見を説明する際には、しっかり論理を組み立てる力が必要です。結論ありきでないにしても、例えば「結果→原因→今後の予想」などといった大きな枠組みを意識していない説明は、必要な要素が漏れたり順番が前後しがちであり理解されにくいものになってしまいます。

法学部では、三段論法をはじめとする基本的な論理構造を学べることはもちろんですが、論理的に書かれた教科書を常日頃から読むことを通じて論理的思考力を自然と身につけることができます。

他にも、直接的に「条文を読む力」が役立つ場面もあります。会社で新たに契約を結ぶ際は、契約書の作成、確認が必要になります。もちろん最終的には法務部にも確認を依頼しますが、基本的な内容を理解し必要に応じて相手方と調整していく能力は求められます。

私の職種は総合職、すなわち様々な部署を転々とする職種ですが、これら「論理的思考力」と「条文を読む力」は、どこの部署に行っても必要になると考えています。

これらを踏まえて皆さんにお伝えしたいことは、以下の3点です。

1点目は、「法の道にこだわらず、自分のやりたいことを考え続けるとよい」です。自分は法が好きなのか、法を使って何かをしたいのか、それは法を使わなくてもできることなのか、などを折に触れて頭の中で回してみるイメージです。幸い上で述べた通り、法学部で養われる力は汎用性が高いため、最初は可能性を限定せずに幅広く模索するのがよいと思います。

2点目は、1点目とやや逆説的ですが「まずは法に真摯に向き合ってみるとよい」です。人それぞれ真剣に学んでみて初めて見えてくるものがあると思います。考え続けるための前提として、揺るぎない判断材料を揃えることも重要です。

3点目は、「様々なことを一生懸命に経験するとよい」です。体力・時間に余裕のある大学時代に視野を広げることは、判断能力の向上にも繋がります。

皆さんが、「判断材料を揃えて」、「判断能力を高めて」、「よく考えて」行動し、悔いのない人生を送られることをお祈りしています。