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高谷 知佳(たかたに ちか)准教授

現在の研究テーマと最近の活動  前近代の法制史においては、成文法をもたず、法や司法機関のヒエラルキー、執行力、明確な人的・領域的適用範囲などを欠いたさまざまな時代や社会において、人々は何を規範としたかが主たるテーマとなる。都市という場は、法文化の先端であり、多様な人々が流動的に行き来し、利害対立や紛争が多発することから、そうした規範形成の先端的なあり方を示す。そのため、日本中世の大都市、特に、首都京都・権門都市奈良を対象として、比較都市法研究をテーマとする。
 特に、法や裁判の正当性根拠として、公共性・宗教性・先例の尊重・儀礼などは、どの地域や時代においても何らかの規範となるが、それぞれの時代に「具体的に」どのような内容として観念されていたか、また、法や裁判を実質的に担保するものとして、文化・儀礼・ネットワーク・交渉チャンネルなどがどのような役割をはたしていたかなど、前近代特有の問題点に着目する。
最近5年間(平成22年4月〜平成27年3月)の研究成果 @著書
●平成23年度
・東アジア怪異学会編『怪異学入門』岩田書院、2012、79−93頁

A論文
●平成22年度
・「室町期の大織冠像破裂−中世における宗教的法理の射程」『法学論叢』167−3、1−33頁
●平成24年度
・「中世奈良における商業紛争と権力」『比較都市史研究』31-2、15−27頁
・「奈良徳政令の意思決定」『法学論叢』172−4・5・6 512−528頁
●平成25年度
・「『酒飯論絵巻』の時代の都市社会」『アジア遊学』172、127-143頁
●平成26年度
・「日本中世都市史と法」『法制史研究』64、143-169頁
・「中近世移行期の都市社会と怪異」『法学論叢』176−2・3、397-427頁
・「『酒飯論絵巻』の三者と室町期の権力構造」伊藤信博, クレール=碧子・ブリッセ, 増尾伸一郎 編.『『酒飯論絵巻』影印と研究』、臨川書店