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原田 大樹(はらだ ひろき)教授

現在の研究テーマと最近の活動  国家作用が私人や国際機構等に拡散する時代における行政法学のあり方をこれまで一貫して研究してきた。最近の研究は,以下の2つに大別される。
 第1は,伝統的には国家作用と考えられてきた諸作用の複線化・多層化に対応した公法の基礎理論の模索である。まず,民営化に代表される公的任務遂行の複線化に対応する法理論として,公共部門法論・国家の枠組設定責任・多元的法関係論を提示した。そして,これらの考え方がグローバル化の文脈における多層化にも対応しうるものであることを,ドイツ法(Internationales Verwaltungsrecht)やアメリカ法(global administrative law)の知見も踏まえて実証した。
 第2は,制度設計論の観点からの行政法学の再構築である。一定の社会問題を解決する法技術の蓄積の場として行政法学を位置付けることができないか模索中である。その方法として,さまざまな参照領域の法制度や法的課題に積極的にアクセスし,行政法学との対話可能性を探る取り組みを継続的に行っている。
ホームページ http://www.harada.law.kyoto-u.ac.jp/
最近5年間(平成22年4月〜平成27年3月)の研究成果 @著書
●平成22年度
・「政策実施の手法」大橋洋一編『政策実施』(ミネルヴァ書房・2010年)53-75頁
・「政策の基準」大橋洋一編『政策実施』(ミネルヴァ書房・2010年)77-98頁
●平成25年度
・『例解 行政法』(東京大学出版会・2013年)
・『演習 行政法』(東京大学出版会・2014年)
●平成26年度
・『公共制度設計の基礎理論』(弘文堂・2014年)
・『行政法学と主要参照領域』(東京大学出版会・2015年)
・「集団的消費者利益の実現と行政法の役割──不法行為法との役割分担を中心として」千葉恵美子他編『集団的消費者利益の実現と法の役割』(商事法務・2014年)52-75頁
・「適合性評価の消費者保護機能」千葉恵美子他編『集団的消費者利益の実現と法の役割』(商事法務・2014年)514-531頁
・Die Zukunft der japanischen Atomenergiepolitik: Glück oder Unglück für Japan?, in: Gisela Trommsdorff/Wolfgang R. Assmann (Hrsg.), Forschung fördern, 2015, S.183-200.

A論文
●平成22年度
・「多元的システムにおける行政法学──日本法の観点から」新世代法政策学研究(北海道大学)6号(2010年)115-140頁
・「本質性理論の終焉?──国際金融市場規制を素材として」新世代法政策学研究(北海道大学)11号(2011年)259-282頁
●平成23年度
・Special Economic Zones as a Governance Tool for Policy Coordination and Innovation, 31 J.JAPAN.L 205-221 (2011).
・「集団的消費者利益の実現と行政法の役割──不法行為法との役割分担を中心として」現代消費者法12号(2011年)17-29頁
・「法律による行政の原理」法学教室373号(2011年)4-10頁
・「現代美術と行政法学」現代民事判例研究会編『民事判例V──2011年前期』(日本評論社・2011年)128-135頁
●平成24年度
・「TPP時代の行政法学──政策基準の国際的平準化を手がかりとして」ジュリスト1443号(2012年)54-60頁
・「適合性評価の消費者保護機能」NBL985号(2012年)80-89頁
・「政策実現過程のグローバル化と国民国家の将来」公法研究74号(2012年)87-99頁
・「多元的システムにおける正統性概念──適合性評価を手がかりとして」行政法研究1号(2012年)49-81頁
・「政策実現過程のグローバル化と公法理論」新世代法政策学研究(北海道大学)18号(2012年)241-266頁
・「国際的行政法の発展可能性──グローバル化の中の行政法(1)」自治研究88巻12号(2012年)80-100頁
・「震災復興の法技術としての復興特区」社会科学研究(東京大学)64巻1号(2012年)174-191頁
●平成25年度
・「行政法学から見た原子力損害賠償」法学論叢(京都大学)173巻1号(2013年)1-25頁
・「行政法総論と参照領域理論」法学論叢(京都大学)174巻1号(2013年)1-20頁
・Atomenergie: Freund oder Feind des Gemeinwohls?, DÖV 2014, S.74-78.
・「グローバル化時代の公法・私法関係論──ドイツ「国際的行政法」論を手がかりとして」社会科学研究(東京大学)65巻2号(2014年)9-33頁
●平成26年度
・「『生活保護法』の適用」法学教室408号(2014年)29-34頁
・「グローバル化と行政法」高木光=宇賀克也編『行政法の争点』(有斐閣・2014年)12-13頁
・「議会留保理論の発展可能性」法学論叢(京都大学)176巻2=3号(2014年)328-347頁
・「団体訴訟の制度設計──特定商取引法を具体例として」論究ジュリスト12号(2015年)150-155頁
・Establishing Partnership between Public and Private Law in Globalized Policy-Making and Enforcement Process, 57 Japanese Yearbook of International Law 217-227 (2014).